奈良県奈良市にて根来塗の三足鉢を買取させていただきました

奈良県奈良市にて骨董品の買取をさせていただきました。
古美術としての価値基準には難しいものがありますが、今回の朱塗の根来塗は仏教美術として貴重であり、まさに古美術品と言えるでしょう。

根来塗の三足鉢は代表的な作品です。
根来は何重にも朱漆が黒漆の上に塗られており、木地に布が当てられた重厚感のある漆器で、一般的な朱塗漆器とは全く風合いも異なります。

やはり本物のいい骨董品というのは時代が経てば経つほどいいものになり、味わいが出てくるというのが特徴です。現代の量産品などで、今から300年後に更に味が出てよくなっている茶碗など、と考えるとそうそうあるものではないでしょう。

今回の作品も桃山から江戸初期の作品は厳かな形状を未だに保ちながらも、寺院での普段の使用という、美術的作業から逸脱した、意図しない時間空間の中で生まれてきた美しさは、計算されたものを遥かにこえる美しさと厳しさを秘めています。
まさに用の美を兼ね備えたまさしく骨董品古美術品と言えます。