このたび京都府中京区お住いのお客様から上村松園の美人画を買取させていただきました。
上村 松園は明治から昭和にかけて美人画の第一人者として、常に近代日本画壇の第一線で活躍した女流画家です。
女性の社会進出が難しかった明治初期、画家として身を立てることを志して京都四条派の鈴木松年に弟子入りし、僅か16歳にして内国勧業博覧会で一等獎を獲得します。
その後は汚れなき上品な女性画を数多く描き、昭和16年には帝室芸術院会員、昭和19年には帝室技芸員の誉れに預かり、さらに昭和23年には女性として初めて文化勲章を受章しています。
特に東京芸術大学美術館に所蔵され重要無形文化財の『序の舞』は有名で、昭和40年に発行された切手趣味週間の図案として採用され、当時大変話題になりました。
彼女の美人画からは常に凛とした女性の風格が漂い、女性として気高く生きた松園の生きざまが感じられます。