このたび愛媛県四国中央市のお客様から横山大観の富士の絵を買取させて頂きました。
横山大観は言わずと知れた近代日本画壇を代表する巨匠です。
師の岡倉天心と共に日本美術院の創設に参加、西洋画の技法を基に朦朧体と呼ばれる没線描法を創出します。
その後、国内外の展覧会に積極的に参加し高い評価を得て、昭和初期には日本画壇の重鎮としての地位を獲得。昭和10年帝国美術院会員、昭和12年に第一回文化勲章受章、同年帝国芸術院会員になっています。
国粋主義者であった横山大観は日本の象徴である富士を好んで描き、生涯2000点にも上る作品を描いています。
宮内庁三の丸尚蔵館に所蔵されている『日出処日本』は朦朧体で描かれた雲海の中、白雪を頂いた雄大な富士と燦然とした旭日が力強い筆致で描かれた傑作。富士を描くときは常に全身全霊で打ち込んだ大観の気迫が画面から伝わっています。