滋賀県大津市にて本阿弥光悦の書跡を買取させていただきました

このたび滋賀県大津市お住いのお客様から本阿弥光悦の書跡を買い取りさせて頂きました。

本阿弥光悦は江戸時代初期に活躍した総合芸術家です。
光悦が生まれた本阿弥家は刀剣の鑑定を行う家系で幼少より文物に触れ、さらに徳川家康や後水尾天皇の知遇を得る機会に恵まれました。彼は自らの夢を実現するため現在でいう芸術村を作り、俵屋宗達や尾形光琳と共に後に「琳派」と呼ばれる美術様式を創出しました。
彼はプロデューサーとして陶芸や漆芸の名品の数々を世に送り出し、さらに自らは能書家として光悦流を創始します。
その書は上代の王朝風の優雅さに、中国宋代の書家・張即之や弘法大師空海の如き筆力の強さがあり、当時活躍した近衛信尹、松花堂昭乗と共に「寛永の三筆」と称えられました。江戸時代の美術家であれば誰でも一度は光悦を手本とし、彼の真筆の書簡でもあれば掛軸に仕立て直し家宝として鑑賞したほどです。
京都国立博物館には俵屋宗達が下絵をし、光悦が書を認めた重要文化財『鶴下絵三十六歌仙和歌巻』が収蔵されています。宗達が金銀泥で描いた鶴の群れに、光悦の流麗な書が続く長巻はまさに圧巻。
光悦の総合芸術家としての真骨頂ともいうべき名品です。

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