奈良県奈良市にて河南天目風の京焼茶碗を買取させていただきました

奈良県奈良市で茶道具の買取をさせていただきました。今回買取させていただきましたのは、京焼の茶碗で黒釉薬の中国の河南天目風の茶碗です。

中国由来の茶道具は青磁の類を見ても明らかですが、当時の日本の茶道具界隈では非常に珍しく、さらに大名好みのものも多くあり、貴重でなかなか手に入らないものがほとんどでした。
そういった経緯から権力の象徴として所持に至った流れもありますが、特筆すべきは圧倒的な技術と、色合いなどによる神格化もあったものと考えられます。

現代でこそ茶碗の色合いなどは様々あるのは当然と考え勝ちですが、自然釉薬の焼き締めの花瓶などが多くあった時代に中国の窯の中まで調整した神業の様な茶碗や花瓶の数々は当時の人々にとって驚きであったでしょう。
釉薬が黒色の上に薄く色づき散らばる神秘的な文様は油滴天目などの天目茶碗に見られる窯変の様で意図的に作るのは非常に難しいことでしょう。その憧れと当時の陶工の唐物への興味関心だけでなく、尊敬の意を込めて模倣された作品が多く残っています。

当館では茶碗一点でも構いません、売却をご検討の際は気軽にお声かけください。