このたび京都市下京区のお客様から古清水焼の絵皿を買い取りさせて頂きました。
古清水焼とは清水焼の中でも日本初の陶芸作家と言われる野々村仁清が活躍した明暦(1655)以後、呉須で有名な奥川潁川が活躍した寛政(1787)以前に作られた色絵陶器のことを言います。
京都は公家や寺院が多く、そこで使う陶磁器を作るために粟田口,御菩薩池,岩倉、音羽,清水,八坂,清閑寺などに多くの窯が築かれました。唐風の絵柄の写しが主だった当時の陶器に、野々村仁清が日本風な絵付けを完成させると、洛中のこれらの窯で仁清の影響を受けた色絵陶器が大量に生産されました。
奥川潁川の影響で再び唐風が清水焼にはやるまで、純和風の風格を備えた素朴な古清水焼はコレクターの間で非常に人気があります。
古清水焼を代表する野々村仁清の国宝『色絵藤花茶壺』はMOA美術館に収蔵されており、赤、緑、紫、金、銀で色絵付けされた藤の花がゆったりとした茶壷に優雅に描かれ、現代にも通じる日本人の美意識を私たちに伝えています。