島根の掛け軸買取について

島根県ゆかりの掛け軸

島根県は石見銀山の影響で、栄えたことから明国や朝鮮半島から絵画も多く輸入されています。
16世紀から17世紀の交易では、東アジア近郊の諸国とのやりとりは、船での貿易が中心でした、当時の表日本という言い方もありますが、江戸時代は船の往来の盛んな方面は山陰地方で、中でも島根県は太平洋側よりも表日本の日本海側に位置することから大変栄えました。
主な内容としては島根県の石見銀山からは銀を輸出し、代わりに中国や朝鮮半島から綿糸や生糸などを輸入していました。この輸入品の中に、書画が多く輸入されました。当時輸入された書画が現在になって非常に注目を集めています。この舶来品の多くが唐物と呼ばれる支那表装の掛け軸が多く残っている一因と考えられます。
また16世紀に描かれた倭寇図巻には当時の貿易の困難さが描かれており、当時は写真や映像がない分、このような絵師の描いた当時の様子は非常に貴重な資料となります。

これだけでなく、御用絵師も多くいますが、中でも特筆すべきは、狩野永雲です。彼は松江藩のお抱え絵師として活躍します。金箔を豪華に使った屏風が一双伝世していますが、狩野派の画法を踏襲したもので、独特の画風というよりは正統派狩野派という感じです。