伊東深水作品の買取について

伊東深水という人物

伊東深水(いとうしんすい 1898-1972) は明治時代に生まれ、昭和大正期を代表する美人画の作品で高名な日本画家です。
特に伝統的な画法を継承しつつ、美人画を能くしました。またその流れから当時の絵師たちと多く交流し、今にも残る素晴らしい浮世絵、版画も多く制作しました。

深水は東京深川に生まれ、13歳で日本画、特に美人画でも有名な鏑木清方に師事しました。16歳で院展に、その翌年には文展に入選し、早くから頭角を現し帝展や新文展、日展を中心に作品を発表し活躍、国内のみならず海外の日本美術展にも出品を重ねるなど、積極的な創作活動で知られ、海外での人気も高く日本画壇を代表する画家として高名です。

また伊東深水は古美術、骨董を非常に好み、古陶磁を収集していたことでも知られています。
圧倒的な美意識の感覚の中で、古器や骨董品の昔からの長年愛玩されてきた普遍的な美意識に共感するものを感じていたのかも知れません。

伊東深水の作風

伊東深水は主に人物画と風俗画を制作しましたが、特に美人画で名を知られております。着物姿や洋装の大正・昭和の快活な淑女を、濃淡をきかせた無垢な線と、鮮やかで柔らかい色使いで描きました。また制作した版画は浮世絵版画の分野においても新時代を創作した革新的なものでした。
深水の美人画は当時人気で、注文が偏って多かったことにより美人画の現存数が多いわけですが、それでもやはり近年では、美人画自体が共箱であるにも関わらず贋作であったり、画家としての評価が高まると当然のことですが、良くない作品も増えます。それに伴い所定鑑定による鑑定書が必要な画家となっております。