柳沢淇園/柳里恭作品の買取について
藝品館では柳沢淇園作品の買取査定を行っております。
柳沢淇園の人物画や花卉画などの文人画・日本画・絵画・掛軸等の売却や鑑定をお考えの際は、是非お気軽に当館へご相談ください。責任ある評価・査定を行い、現在の流通価格に沿った適切な買取価格をご提示いたします。
柳沢淇園という人物
柳沢淇園/柳里恭 (やなぎさわきえん/りゅうりきょう 1703-1758) は江戸時代中期の文人画家です。
淇園は甲斐甲府藩(山梨県甲府市)の家老の次男として江戸に生まれ、若い時から詩や書画などを好む多芸多才な才能を発揮します。藩主・柳沢吉里より、のちに柳沢姓を許され、藩の転封とともに自身も移転したした大和郡山藩(奈良県大和郡山市)にて重臣を務めました。
特に絵を好んだ淇園は、初め狩野派に学びました。しかし、狩野派に馴染むことのできなかった淇園は、長崎派の吉田秀雪の弟子として更に中国の唐絵を学びました。20代の前半に著したひとりねという随筆の中でも唐絵とその画譜の重要性を説き、その傾倒ぶりを露わにしています。
また、後に文人画の大家となる池大雅の才能を認め、絵を教えました。祇園南海、彭城百川と並び、後の文人画の礎を築いた草創期の人物として有名です。
柳沢淇園の画風
淇園は、中国の絵画や画譜から多く絵を学び、濃彩で精密な画風の作品を残しました。特に墨竹や着色の花卉画を得意としました。
東京国立博物館蔵の関羽像は、鮮やかな色彩によって人物が描かれています。三国志に登場する知勇兼備の武将・関羽を描いたこの作品は、鮮やかな衣服の色彩と明瞭な衣の線が精密に描かれ、厳格で血色の良い関羽の顔と豊かな髭が特徴的です。
こうした中国の文化的教養を背景にした作品は多く残され、淇園が中国の唐絵に興味を抱いていた事を示しています。
また、技術的にも非常に優れた作品を残しています。
個人蔵の蘭花果実図は花瓶に刺さった繊細な花々が描かれています。桃色の花と緑色の果実が濃彩に描かれて絶妙なコントラストを示している一方で、花の一輪毎に精細な筆致で描かれています。一方で、個人蔵の指墨竹図は、指先を使った独特の技法を用いて、竹の葉を描き、濃淡のある作品に仕上げています。この作品は淇園の知己などの評価も高く、当時から人気のあった作品であったと考えられます。