朝鮮・高麗・李朝美術の買取について

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李朝美術とは

李朝美術とは、朝鮮半島の李王朝(1392年から1910年)の時代に生み出された美術品のことを指します。李王朝は五百年以上続きましたが、これは日本の室町時代から安土桃山、江戸、明治時代にあたります。
李朝美術のなかでも陶磁器は、古くから日本で珍重されており、室町時代の茶人たちは、李朝の陶磁器の美をすでに見いだしていました。

李朝陶磁器

李朝美術の中でも特に、李朝のやきものは古くから日本においても愛されてきました。
李王朝の前の時代にあたる、高麗王朝で造られていた高麗茶碗は、室町時代に豊臣秀吉千利休によって珍重され茶席で用いられていましたが、李朝の俵壺も花器として茶会で使用されていました。
大正時代には、柳宗悦が李朝のやきものに魅せられました。

そのように日本人に古くから愛されてきた李朝のやきものとは、どのようなものなのでしょうか。

李朝陶磁器の特徴

李朝の前の時代に造られていた高麗青磁が貴族階級の工芸品であったのに対し、李朝の陶磁器は実用の器でした。官の工場で管理され高貴な物とされていた白磁も、上層階級の台所で穀物や油を入れる壺として使われていました。
そのためか過度な装飾は見られず、日常にすっと馴染む風合いのやきものです。寡黙な佇まいでありながら、凛とした雰囲気と温かさ、腹をくくったような確かな存在感と柔らかさ、そのような豊かな表情のあるやきものです。

李朝のやきもの 種類

李朝のやきものには、粉青沙器、白磁、呉須による絵付、鉄砂、辰砂などの種類があります。
粉青沙器とは、陶器の灰黒色の素地に、白泥で白化粧が施されたやきもののことです。粉青沙器には、粉引や無地刷毛、生乾きの肌に細かい模様を押して白土を埋め込んだ三島や、白泥の肌にのびのびとした筆運びで描いた鉄絵の鶏竜山などの種類があります。
文禄・慶長の役で16世紀末に窯場が破壊されると、それまで多く作られていた粉青沙器の製造はなくなり、代わりに白磁が多く生産されるようになりました。
そして白磁を活かした呉須による絵付けや、鉄砂、辰砂がつくられるようになりました。
特筆すべき点は、中国の赤絵や伊万里の色絵のような本焼成した白磁の表面に色や絵をつける上絵付けの技法は李朝のやきものではつくられなかったということです。
李朝のやきものは総じて釉の下に模様があります。鉄砂、辰砂、染付も釉の下に施されました。そのため赤絵や色絵のくっきりとした華やかさはありません。
その代り李朝のやきものには、女性的とも形容できるような、柔らかさや温かみ、しっとりとした質感など、絵付に頼りきるのではない、造形と質感による美があるのです。