輪島塗の買取について
輪島塗の買取は藝品館へおまかせください。
蔵整理やご実家の整理などで出てきました輪島塗の買取や鑑定査定は当館にご気軽にご相談ください。
輪島塗とは
輪島塗は古くはその堅牢さを讃えられ、現在は最高級漆器でその名を世界的に知られる日本を代表する漆工芸です。
輪島塗は木地に生漆で寒冷紗を布着せて付着させ、下塗りに米糊と珪藻土を混ぜた「地の粉」を塗り何度も研ぎ出しすることで「本堅地」と呼ばれる堅牢な下地を作り、仕上げの「花塗り」を施します。その後、沈金や蒔絵の華やかな加飾することで高い装飾性と美術性を演出します。
現在多くの漆器産地で作業工程の省略化や、塗もウレタン塗料やカシュー漆などが用いられている中、輪島塗は今も100を超える伝統的な製造工程をそれぞれ専門の職人が担い、生漆の厚塗りに拘り製作が続けられています。そのため、輪島塗の技法自体が漆器として唯一国の重要無形文化財に指定されています。
また、輪島塗は昔ながらの技法を守っているため、修理が可能です。そのため一度購入すれば、代々に使い続けられます。輪島塗が他の漆工芸に比べ高価な理由がお分かりいただけるでしょう。
輪島塗の起源は、伝承では応永年間(1394~1428)に紀州の真言宗総本山の一つ、根来寺の僧が輪島の重蓮寺に来て、根来塗の技法を用いて寺で使う碗を作ったのが始まりとされています。
一方で記録として定かなのは同地の重蔵神社で発見された棟札の内容で、文明8年(1476)に小工塗師三郎次郎定吉が堂の建立に従事したという記載があり、少なくともこの頃には輪島で漆の制作が行われていたことが分かっています。
現在の輪島塗の技法が完成したのは江戸時代の寛文年間(1661~73)で、同地で「地の粉」の材料となる珪藻土が発見されたのが始まりです。この珪藻土は微細な穴が空いており、研いでその穴にさらに細かな「地の粉」を塗り重ねることで塗面が丈夫になり、水が染み込み難くなります。このように堅牢さを得た輪島塗は、北前船の寄港地と言う地の利を生かし日本海側を中心に販路を広げ、また輪島独自の商法である塗師屋が全国を行商したため、その丈夫で評判が評判を呼び全国各地で使われるようになりました。
また輪島塗の加飾技法の特色が、沈金と蒔絵です。
沈金は塗り物の表面にノミで細かな模様を彫り、その溝に漆を刷り込んだ後金属粉や顔料を埋め込む技法で作品に非常に繊細な印象を与えます。沈金は享保年間(1716~1736)に大工五郎兵衛が中国の鎗金技法を基に創始し、明和年間(1764~72)に城(たち)順助が京都で絵画と金箔を貼る技術を習得し沈金に応用したことで輪島塗特有の沈金技術が確立しました。
一方、蒔絵は少し遅れ文政年間(1818~31)に会津塗の蒔絵師の安吉が輪島に蒔絵技法を伝えたとされています。
明治時代になると、各藩で御用職人として抱えられていた蒔絵師たちは職を失い、全国的な販路を持つ輪島に職を求めて集まります。
また明治政府の後押しもあり絢爛豪華な高級輸出品として輪島塗が採用されると、沈金や蒔絵で数多くの名工を生み出しました。
明治から大正にかけては「沈金佐助」と異名をとる名工・橋本雪洲、黒川碩舟、船掛宗三郎、船掛貞二など沈金作家を輩出し、昭和には帝展の常連で人間国宝となった前大峰、蒔絵では近代的でモダンな意匠を駆使した竹園自耕などが活躍しました。
現在でも、日展や日本伝統工芸店などで入選する作家が100名以上おり、輪島塗の技の継承と更なる新境地の開拓に切磋琢磨しています。