御深井焼の買取について

御深井焼とは

御深井焼は尾張徳川家の御用窯であり、名古屋城の御深井丸にあったことからこの呼び名となりました。
瀬戸陶竃記や金城温古録でそれぞれ記されていることをまとめると、開窯は江戸初期であるとされています。

作風としては安南写などが有名で、柔らかい釉調やきめ細やかな貫入が侘び寂びを感じさせます。江戸後期になると御深井の陶印が高台付近に押されるものも現れ始めます。
御深井焼は数々の写し物も作ったことから一見して唐物のようなものもありますが、当時の徳川家の茶道具としての注文に応じたものと思われます。
水指や茶碗など使用されていたものですのでもちろん無傷が好ましいですが、多少の使用傷は買取価格にもあまり影響がない場合もございます。写し物としての茶道具でも時代の価値や伝来の希少性から高価買取が可能です。

さて、中国写と言えるこの唐物の作陶の経緯としてはおそらく明の陳元贇の影響もあると考えられています。
名古屋別院には彼の関連した茶碗と屏風一双が今も大切に保管されており初期の作陶の経緯の貴重な資料となっています。