文徴明作品の買取について

藝品館では文徴明作品の買取査定を行っております。
文徴明の山水画・花卉画・人物画などの中国絵画・水墨画・掛軸・書画等の売却や鑑定をお考えの際は、是非お気軽に当館へご相談ください。
経験豊富なスタッフや中国美術専門家が責任ある評価・査定を行い、現在の流通価格に沿った適切な買取価格をご提示いたします。

文徴明という人物

文徴明 (ぶんちょうめい 1470-1559) は中国明代の文人であり、書画家です。
名は璧。字が徴明でありましたが、のちにこれを名とし、字を徴仲と改めます。号には衡山・停雲生など。
文徴明は三絶と称される、詩・書・画において大変優れた人物です。
多くの友人と交流を持ち、唐寅祝允明らと親しかったことが知られる文徴明ですが、早熟天才肌であった彼らとは違い、その才能は絶え間ぬ努力から開花したものでした。大変に堅実勤勉であったその性格から、熱心な努力を重ねた文徴明の詩書画に対する名声は徐々に高まり、齢90という長寿を全うするまで、努力を絶やすことなく重鎮大家となった文徴明の書画は、後世に大きな影響を残しました。

文徴明を祖として長男文彭・次男文嘉ら子孫に至るまで才に秀でた家系や、またその弟子たちは南宋画呉派の中でも文派と呼ばれ、明末清初における文人画風の中心主流を担います。日本への影響も大きく、江戸時代に伝わった文徴明の書蹟法帖は董其昌らのものとともに学ばれ、唐様の書風を確立しました。

文徴明の作風

進士であった父のつてで詩文は呉寛に、画は沈周、書を李応禎にと、文徴明はいずれも一流の文人に詩文と書画の手ほどきを受けました。また、書・画共に古典を多く臨書・模写し学びました。

各種の書を能くした文徴明ですが、ことに小楷と行書に特徴があり、臨書に励んだ王羲之などの影響が強く見られます。文徴明の小楷は整然として力強く、90歳の高齢になってもごく小さな蝿頭楷を書くことができました。行書においては滑らかな中に強靭さがあります。
現在まで伝わる文徴明作品の多くが行書・草書となっております。

画は水墨画・着色画のいずれも得意とし、題材の多くは山水であり、ときおり人物や花鳥も描きました。
水墨画は墨の濃淡の変化が実に生き生きとしており、青や緑を多用する着色画は濃厚な色合いをしていますが、清新かつ雅致に富んだ作品となっています。筆法には太・細2種を用いたそれぞれの画風があり、細い線は清秀かつ力強く、太い線は蒼勁かつ老練です。文徴明は書も画も能くしたことから、絵画作品にも書法の意趣がしばしば見られます。
簡素で平淡な作品であれ、静けさのある作品であれ、文人特有の風雅でのびやかな趣に満ち満ちています。